昼寝の時間1歳の正しい長さと回数と起こすタイミング

1歳の昼寝の時間はどう管理すればいい?回数・長さ・時間帯の目安から、2回→1回への移行サイン、睡眠環境の整え方まで医学的根拠をもとに解説。知らないと夜泣きが悪化するかも?

昼寝の時間、1歳の正しい管理法と移行サインを徹底解説

昼寝を暗い部屋でさせると、夜に成長ホルモンの分泌ピークが30分以上ずれて損をします。


🌙 この記事でわかること:1歳の昼寝3つのポイント
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1歳の昼寝は「長さ」より「時間帯」が命

1歳3か月児の研究では、午後遅い時間の昼寝が夜の就寝を遅らせ、翌日の昼寝をさらに長くする悪循環を引き起こすことが判明。15時以降は要注意です。

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「2回→1回」の移行サインを見極める

1歳2か月〜1歳半が移行のタイミング。子どものOKサイン・NGサインを正確に把握することで、睡眠退行による夜泣きの悪化を防げます。

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昼寝中の「暗くしすぎ」はメラトニンを乱す

昼寝時に室内を完全遮光すると日中の受光量が下がり、夜間のメラトニン分泌バランスが崩れます。昼寝は「薄暗い程度」が正解です。


昼寝の時間が1歳の夜間睡眠に与える直接的な影響


1歳の昼寝が長くなるほど、夜の睡眠時間が削られていく、というのは多くの保護者が感覚的に知っていることです。しかし実際に数字で示されると、その深刻さはまた違って見えます。


ある研究では、昼寝1時間につき夜の睡眠時間が平均13.6分短くなるという結果が報告されています。1歳児の昼寝が目安より1時間長くなるだけで、夜間睡眠が約15分近く削られる計算です。これは小さな数字に見えるかもしれませんが、1か月続けば合計7〜8時間の損失になります。ちょうど1晩分の睡眠が丸ごと消える計算です。


さらに、1歳3か月児を対象とした「昼寝時間に関する研究」では、午後遅い時間に昼寝をさせると夜の就寝時刻が遅くなり、夜間の睡眠時間が短縮し、翌日の昼寝時間がさらに長くなるという負のサイクルに入ることが明らかになっています。つまり昼寝が遅れれば遅れるほど、問題は翌日以降にも連鎖していくのです。


悪循環が始まります。


一般的に、夜10時以降に就寝している乳幼児は、10時以前に就寝している乳幼児より昼寝時間が長い傾向にあるとされています。「うちの子はなぜか昼寝が長い」と感じているなら、夜の就寝時刻を見直すことが根本的な解決につながる可能性があります。


また、聖路加国際病院の中川真智子医師らが行った研究(Scientific Reports, 2021年)では、1歳半の幼児106名を対象にアクチグラフで睡眠を計測した結果、長い昼寝が夜間睡眠時間を有意に短縮させることが客観的なデータで確認されました。同研究は「添い寝」については夜間睡眠への影響を認めなかった一方、昼寝の長さについては明確な相関を示したという点で注目されています。


昼寝の長さが鍵です。


参考:聖路加国際病院・中川真智子医師ら「幼児期の夜間睡眠には昼寝の長さと夜の母乳授乳が影響」(東邦大学プレスリリース)
https://www.toho-u.ac.jp/press/2020_index/20210205-1118.html


1歳の昼寝の時間・回数・起こすタイミングの目安

1歳の昼寝に関して「何時間寝かせればいいか」という疑問は多いですが、実際には時間単体ではなく「回数・開始時刻・終了時刻」の3点をセットで把握することが重要です。


まず回数については、生後6か月時点では8割の乳児が1日2回昼寝をしているという日本睡眠学会のデータがあります。1歳を超えると徐々に1回へと移行していきますが、個人差が大きく、1歳0か月で1回になる子もいれば、1歳半近くまで2回が必要な子もいます。


昼寝の長さの目安は以下の通りです。


月齢 昼寝の回数 1回あたりの長さ 終了目安時刻
1歳〜1歳2か月 1〜2回 1〜2時間 15時〜16時まで
1歳3か月〜1歳半 1〜2回(移行期) 1.5〜2.5時間 14時30分〜15時まで
1歳半〜2歳 1回 2〜3時間 14時〜15時まで



起こすタイミングについては、「昼寝は遅くとも15時には終わらせる」が基本的な原則です。15時以降まで眠っていると、夜の就寝時刻に影響が出やすくなります。


もう一つ大切なのが、昼寝の開始時刻です。起床後の活動可能時間(起き続けていられる時間)は、1歳〜1歳2か月で約3〜4時間、1歳3か月〜1歳半で約5〜6時間(昼寝1回の場合)が目安です。この時間を超えて起こし続けると、疲れすぎによる寝ぐずりや夜泣きの原因になります。


15時までが原則です。


1日の総睡眠時間(昼寝を含む)は、1歳〜1歳2か月で約12〜15時間、1歳3か月〜3歳で約11〜14時間が適切とされています(愛波文・西野精治監修『ママと赤ちゃんのぐっすり本』講談社)。就寝時刻の目標である夜7〜8時に間に合うよう、昼寝の終了時刻を逆算して設定する考え方が実践しやすいです。


参考:1歳〜3歳のお昼寝時間の目安と移行ポイント(トモニテ)


参考:日本睡眠学会「睡眠の発達」林光緒
https://www.jssr.jp/basicofsleep5


昼寝の時間が1歳の「2回→1回」移行サインの見極め方

昼寝の回数を減らすタイミングを誤ると、睡眠退行が起きたり、夜泣きが増えたりすることがあります。意外かもしれませんが、「眠そうにしていないから1回でいい」と判断するのは早計で、行動パターン全体を確認することが必要です。


移行してOKなサイン(昼寝を2回→1回に変えていい目安)は次のような状況です。


  • 2回のうち1回はすぐに起きてしまう、または全く眠れない
  • 車やベビーカーで外出しても、昼寝の時間帯に眠らない
  • 朝寝をしなくても昼寝の時刻まで機嫌よく過ごせている
  • 2回中1回は抵抗して、どうしても寝ようとしない


一方、まだ2回が必要なNGサインは以下の通りです。


  • 寝かしつけに抵抗するが、いざ眠り始めると1時間以上まとめて寝る
  • 外出中は昼寝しなかったのに、帰宅後は自宅で2回ぐっすり寝る
  • 朝寝を飛ばした日の午前中、機嫌が悪い・ぐずりが増える
  • 車やベビーカーに乗ると、昼寝の時間帯にすぐ眠る


これは使えそうです。


移行の進め方として重要なのは、「今日から1回にする」と急に切り替えないことです。移行期間中は、昼寝が1回しかできなかった日の夜の就寝を30分〜1時間早めに設定することで、睡眠不足を補うことができます。また昼寝が少なかった日は、ゆっくり絵本を読むなどの「休息タイム」を設けることも、子どもの疲れを和らげるうえで有効です。


保育園に通い始めることでこの移行が早まるケースもあります。保育園は通常1歳クラスから昼寝1回の設定がされているため、家庭での2回が必要な子が保育園で疲労を蓄積してしまうことがあります。そのような場合は、帰宅直後に30〜40分程度の短い昼寝(ベビーカーや抱っこ紐でもOK)を取り入れると、夕方のかんしゃくや夜間の寝ぐずりが改善されることがあります。


参考:お昼寝移行のOKサイン・NGサイン(愛波あや 公式ブログ)
https://aya-aiba.com/blogs/column/nap-sign


昼寝の時間中の「暗くしすぎ」が1歳の夜間メラトニン分泌を乱す理由

多くの保護者が昼寝中はカーテンを閉め切って部屋を暗くします。しかし、昼寝時に室内を完全に暗くすることは、夜間のメラトニン分泌バランスを崩す可能性があります。これは反直感的で、知らないと損をするポイントです。


メラトニンは睡眠導入に必要なホルモンで、暗い環境で分泌が促進される一方、昼間に適切な量の光を浴びることで、夜間の分泌が充分に行われる仕組みになっています。昼間の受光量が少ないと、夜間のメラトニンが十分に分泌されません。


つまり、昼寝中に室内を暗くしすぎると日中の受光量が低下し、結果として夜のメラトニン分泌バランスが狂ってしまう可能性があるのです。


さらに成長ホルモンについても注意が必要です。成長ホルモンは就寝後最初の深い睡眠(ノンレム睡眠)に最も多く分泌され、就寝時刻が遅くなるにつれてピーク分泌量が減少します。夜10時〜深夜2時ごろがゴールデンタイムと呼ばれており、このタイミングに深い眠りが重なることが重要です。昼寝が遅くなって就寝時刻が後ろにずれると、この成長ホルモンのピークが変わってしまいます。


成長ホルモンは夜が命です。


具体的な昼寝中の部屋の状態としては、「完全に暗くしない」「薄暗い程度(カーテンで光を和らげる程度)」を目安にすることが推奨されています。反対に夜間就寝時は豆電球なども含めてしっかり暗くすることが、メラトニンと成長ホルモンの両方にとって理想的な環境です。


この対照性、つまり「昼寝は薄暗く・夜間は真っ暗に」という切り替えが、子どもの生体時計を正しく機能させる条件になります。ナイトライトを使用する場合は、天井の常夜灯より暖色系の足元ライト(例えばすみっコぐらしのおやすみライトミニのようなシリコン製ナイトライトなど)を使う方が、就寝環境として優れています。


参考:こどもの昼寝について(呉市子育て施設課・ほけんだより第130号)
https://kure-kosodate.com/fs/1/0/2/5/9/_/2309.pdf


1歳の昼寝時間に関する独自視点:「疲れすぎ」は寝かしつけを難しくする

「たくさん遊ばせれば疲れてよく寝る」という考え方は、多くの保護者が持つ自然な発想です。しかし1歳の睡眠においては、これが逆効果になる場面があります。あまり知られていない落とし穴です。


実は、1歳の子どもが活動可能時間を大幅に超えて起こし続けられると「疲れすぎ(オーバータイアード)」という状態になり、コルチゾールが過剰に分泌されます。コルチゾールはストレスホルモンであり、これが高い状態では入眠が妨げられ、眠りたいのに眠れないという状況が起こります。


その結果として現れやすいのが、寝ぐずり・夜泣き・早朝覚醒の3つです。「疲れているはずなのに寝てくれない」「昨日よりも夜泣きが増えた」という悩みのある場合、前日の昼寝が遅すぎたか、昼寝の終了から就寝までの時間が長すぎた可能性があります。


活動時間の目安は月齢によって変わり、1歳〜1歳2か月では3〜4時間、1歳3か月〜1歳半(昼寝1回の場合)では5〜6時間程度です。これを目安に、昼寝から起きたら逆算して「今日の就寝目標は何時か」を設定することが、睡眠の質を保つ実践的な方法です。


昼寝後の活動時間が鍵です。


「疲れすぎサイン」として観察しやすいのは、機嫌が急激に悪くなる・ぼーっとする・ぐずりながらも目をこする・ものを投げるなどの行動です。これらのサインが出た時点ですでに疲れすぎのゾーンに入っている可能性があり、その後の寝かしつけに時間がかかりやすくなります。


こういった行動パターンを定期的に記録しておくと、その子の「眠りのサイン」が見えてきます。睡眠記録アプリ(例:トモニテアプリなど)は1週間分の睡眠リズムをグラフで確認できるため、昼寝の開始・終了時刻の傾向を把握するのに役立ちます。昼寝のタイミングを自分の子どもに合わせて最適化するために、記録と観察を組み合わせて活用しましょう。


また、保育園でお昼寝時間が固定されている場合には、家庭側でできることは「帰宅後の過ごし方」にあります。帰宅から就寝までの時間が長くなりすぎる場合は、帰路でのベビーカー短眠(30分程度)を意図的に取り入れるか、夕方の入浴・夕食のタイムラインを前倒しにして就寝時刻を早める対策が有効です。


参考:赤ちゃんの正しいお昼寝時間・寝かせるコツ(BabyPark)
https://www.babypark.jp/column/naps-for-toddlers/


参考:未就学児の睡眠指針(こども家庭庁)
https://sukoyaka21.cfa.go.jp/media/tools/s04_nyu_pan004.pdf




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