メマリー錠薬価を規格・後発品・改定で徹底比較

メマリー錠の薬価は規格や剤形によって大きく異なり、2026年4月の薬価改定でさらに変動しています。先発品と後発品の差額が患者負担にも直結する今、正確な薬価情報を把握できていますか?

メマリー錠の薬価を規格・後発品・改定で理解する

メマリー錠20mgを先発品で処方し続けると、患者が月に数百円の追加負担を強いられます。


📋 この記事の3ポイント要約
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現行薬価と2026年4月改定後の変化

メマリー錠20mg(先発品)は2026年3月まで153.7円/錠だったが、2026年4月1日以降は112.7円/錠に引き下げられる。後発品(例:ニプロ・サワイ等)は46.3円→40.5円と、先発品との差はさらに縮小。

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後発品との薬価差と患者負担への影響

2024年10月導入の「長期収載品の選定療養」により、患者希望で先発品を処方した場合、先発品と後発品の薬価差の1/4相当が患者の追加自己負担となる。処方する際には後発品切り替えの説明が求められる。

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規格・剤形ごとの薬価と処方上の注意点

メマリー錠は5mg・10mg・20mgの3規格に加え、OD錠・ドライシロップもある。腎機能障害(CrCl 30mL/min未満)患者では維持量が1日10mgに制限され、薬価計算にも影響する。


メマリー錠の薬価一覧:5mg・10mg・20mgの規格別まとめ



メマリー錠(一般名:メマンチン塩酸塩)は、第一三共が製造・販売するNMDA受容体拮抗です。中等度および高度アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制を適応とし、1日1回の経口投与で使用されます。処方頻度が高い薬剤だからこそ、薬価を規格ごとに正確に把握しておくことが重要です。


現在(2026年3月31日まで)のメマリー錠の薬価は以下のとおりです。


| 規格 | 先発品(メマリー錠) | 後発品の代表例(ニプロ・サワイ等) |
|------|--------------------|---------------------------------|
| 5mg | 49.9円/錠 | 14.0〜21.5円/錠 |
| 10mg | 84.6円/錠 | 26.4〜37.2円/錠 |
| 20mg | 153.7円/錠 | 46.3〜66.0円/錠 |


1日の維持量(20mg)で計算すると、先発品の1日薬価は153.7円、後発品(ニプロ)は46.3円となります。30日分で先発品は約4,611円、後発品は約1,389円です。つまり月あたりの薬剤費差額は約3,200円にもなります。これは決して小さな金額ではありません。


発売当初(2011年)の薬価はメマリー錠20mgが427.5円/錠でした。その後の薬価改定と後発品参入により、現在の水準まで大幅に引き下げられてきた経緯があります。薬価は毎年更新されるため、定期的な確認が必須です。


▶ メマリー錠20mgの同種薬・薬価一覧(yakka-search.com):先発品・後発品の全薬価を一覧で比較確認できるページです


メマリー錠の薬価改定2026年4月:先発品・後発品の新薬価

2026年4月1日から新薬価が適用されます。これは毎年実施される薬価改定の一環であり、医療従事者として最新情報の把握が求められます。


2026年4月1日以降のメマリー錠(先発品)の新薬価は以下のとおりです。


| 規格 | 旧薬価(〜2026.3.31) | 新薬価(2026.4.1〜) |
|------------|----------------------|---------------------|
| 錠・OD錠5mg | 49.9円 | ※要確認 |
| 錠・OD錠10mg | 84.6円 | ※要確認 |
| 錠・OD錠20mg | 153.7円 | 112.7円 |


20mgについては153.7円から112.7円へ、約27%の引き下げが確認されています。この改定幅は大きく、継続処方患者の薬剤費にも直接影響します。薬価ダウンということですね。


後発品(20mg)についても、DSEP・トーワ等の一部は旧薬価77.6円から新薬価61.6円へ、ニプロ・サワイ・アメル・オーハラ等は46.3円から40.5円へと改定されています。薬価改定のたびに先発品と後発品の価格差が変動するため、選定療養の特別料金計算にも影響が生じる点に注意が必要です。


処方・調剤の現場では、4月以降のレセプト算定ミスを防ぐためにも、4月1日前後のシステム更新と薬価確認を忘れずに行いましょう。確認は必須です。


▶ 厚生労働省「後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養について」:選定療養の制度概要と特別料金の計算方法が記載された公式ページです


メマリー錠と長期収載品の選定療養:患者負担への影響を計算で理解する

2024年10月1日から「長期収載品の選定療養」が開始されています。医療上の必要性がなく、患者希望で先発品(長期収載品)を選択した場合、先発品と後発品の薬価差の1/4相当が患者の追加自己負担となる制度です。メマリー錠もこの対象に含まれます。


具体的に計算してみましょう。2026年3月末時点の数字で試算します。


- メマリー錠20mg(先発品)薬価:153.7円
- メマリー塩酸塩錠20mg「ニプロ」(後発品)薬価:46.3円
- 差額:107.4円
- 選定療養の特別料金(差額×1/4):約26.9円/錠(税抜)


1日1錠・30日分の処方なら、特別料金は約807円(税抜)が患者に追加請求されることになります。患者自身の通常自己負担(3割)とは別に発生する費用です。これは痛いですね。


ただし、以下のケースでは特別料金は発生しません。


- 医師が「医療上の必要性あり」と判断した場合(例:後発品への切り替えによる副作用のリスクが高い場合など)
- 後発品の在庫不足・供給不安定など、薬局の在庫状況による理由がある場合
- 患者が後発品への変更を了承しない場合(ただし選定療養費は発生)


重要なのは、処方箋への記載方法と薬局への情報提供です。「後発品変更不可」の記載がある場合と、患者希望で先発品を選んだ場合では制度上の扱いが異なります。記載は慎重に確認してください。


▶ GemMed「2024年10月からの患者に特別負担が生じる長期収載品(先発品)一覧」:対象品目リストとその解説が詳しく掲載されています


メマリー錠の薬価と後発品(ジェネリック):規格ごとの比較と切り替え時の注意点

後発品(ジェネリック)への切り替えは、患者負担の軽減と医療費適正化の両面から推奨されています。ただし、実際の切り替えにあたっては単に「安い」というだけで判断せず、製剤特性や患者背景を考慮することが大切です。


メマリー錠の後発品には現在、錠剤・OD錠・ドライシロップのすべての剤形で複数のメーカーが参入しています。2020年の後発品収載時には22社が参入したと報告されており、現在は価格競争により銘柄間の薬価差も生じています。


代表的な後発品(20mg錠、2026年3月末時点)の薬価をまとめると次のとおりです。


| 銘柄名 | 薬価(旧) | 薬価(2026.4〜) |
|--------|-----------|----------------|
| メマンチン塩酸塩錠20mg「DSEP」(AG) | 66.0円 | 61.6円 |
| メマンチン塩酸塩錠20mg「トーワ」 | 77.6円 | 61.6円 |
| メマンチン塩酸塩錠20mg「ニプロ」 | 46.3円 | 40.5円 |
| メマンチン塩酸塩錠20mg「サワイ」 | 46.3円 | 40.5円 |
| メマンチン塩酸塩錠20mg「アメル」 | 46.3円 | 40.5円 |


先発品のAG(オーソライズド・ジェネリック)であるDSEP製品は、第一三共エスファが製造しており、先発品と同じ原薬・製造方法を用いています。後発品の中では価格はやや高めですが、先発品との同等性を重視する場面での選択肢となります。


OD錠(口腔内崩壊錠)については、嚥下機能の低下した患者や、服薬アドヒアランスの低下が懸念される患者に対して有用です。水なしでも服用可能で、メマリー錠との生物学的同等性が確認されています。また、ドライシロップは経管投与や嚥下困難例への対応として活用されています。


つまり、患者の状態に合わせた剤形選択も薬価と同時に考慮すべき視点です。


▶ KEGG MEDICUS「メマンチン塩酸塩の同効薬一覧」:先発品・後発品・AGの薬価を一覧で確認できる信頼性の高い医療データベースです


メマリー錠の薬価と用量:腎機能障害・漸増ルールが処方コストに与える影響

メマリー錠の処方は単純ではありません。開始から維持量到達までの漸増プロセスと、患者の腎機能によって投与量が変わる点が、薬剤費の実計算に直接関わります。これは見落としがちなポイントです。


通常の用法・用量は以下のとおりです。


- 開始量:1日1回5mg(1週間投与)
- 2週目:1日1回10mg
- 3週目:1日1回15mg
- 4週目以降:維持量として1日1回20mg(以後継続)


1週間ごとに5mgずつ増量していくため、維持量(20mg)に到達するまでに4週間を要します。この漸増期間の薬剤費は維持量より低くなります。開始1ヶ月の薬剤費が想定より少なく見えるのはこのためです。


⚠️ ただし、「漸増投与は副作用発現抑制が目的であり、維持量20mgまで増量すること」と添付文書に明記されています。副作用を懸念して10mgや15mgで留め置くことは、原則として認められません。維持量への増量が基本です。


一方、高度腎機能障害(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)の患者では、維持量を1日1回10mgとすることが規定されています。この場合、薬剤費は維持量が20mgの患者と比較して半分以下になります。具体的には次のとおりです。


| 状態 | 維持量 | 先発品(旧薬価)1日薬価 | 30日分薬剤費(先発品概算) |
|-------------------|---------|------------------------|--------------------------|
| 通常 | 20mg/日 | 153.7円 | 約4,611円 |
| 高度腎機能障害 | 10mg/日 | 84.6円 | 約2,538円 |


腎機能障害患者に誤って20mgを維持量として処方し続けた場合、過剰投与の安全性問題に加えて、不必要な薬剤費が発生することにもなります。処方前にCrClまたはeGFRの確認は怠れません。


また、メマリーは腎排泄型の薬剤です。腎機能が低下している患者では血中濃度が上昇しやすく、めまい・ふらつきなどの副作用リスクが高まります。維持量の設定だけでなく、漸増速度についても慎重に経過観察することが求められます。


高齢の認知症患者は腎機能の低下を合併していることが多く、外来では定期的なクレアチニン測定と薬剤費の両面から管理する視点が重要です。腎機能確認が条件です。


▶ KEGG MEDICUS「医療用医薬品:メマリー」:添付文書の用法・用量および腎機能障害患者への注意事項が詳細に掲載されている信頼性の高い情報源です


▶ 第一三共メディカルコミュニティ「腎機能障害患者さんへのメマリー投与注意点」:腎機能障害時の具体的な投与量調整の根拠が詳しく説明されています






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