機内計測レニショーで加工精度と段取り時間を劇的に改善する方法

機内計測にレニショーのプローブを活用すると、段取り時間が手動の10分の1に短縮でき、スクラップや再加工コストも大幅に削減できます。CNC加工の現場で本当に使える導入ポイントとは?

機内計測でレニショープローブを使った加工プロセス改善の全貌

手動での芯出しをやめると、逆にスクラップが増えてしまうことがあります。


📋 この記事の3つのポイント
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段取り時間が最大10分の1に短縮

レニショーのプローブによる自動芯出しを使うと、手動計測と比べて芯出し時間が最大10分の1に短縮され、その分を切削加工に充てられます。

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繰り返し精度0.25µmで不良品を未然に防ぐ

RMP600などの高精度モデルはRENGAGE™技術により繰り返し精度0.25µm(2σ値)を実現し、工具摩耗や熱変位による加工ミスを加工中にリアルタイムで補正できます。

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スクラップ・再加工コストをゼロに近づける

機内計測を加工前・加工中・加工後の3段階で組み込む「Productive Process Pyramid™」により、NG品の発生を根本から断ち切り、材料費・工数の無駄を徹底排除します。


機内計測とレニショープローブの基本的な仕組みと役割



機内計測とは、工作機械(マシニングセンタやCNC旋盤など)の主軸にプローブを取り付け、ワークを機械から外さずにそのまま計測する技術のことです。従来の加工フローでは、加工が終わったワークをいったん取り外してから三次元測定機(CMM)に運び、寸法を確認するというステップが当たり前でした。しかしこの方法には、測定のたびに段取りをやり直す必要があるという大きなロスが潜んでいます。


レニショーは1973年に設立されたイギリスの計測機器メーカーで、1970年代半ばにはすでに工作機械向けのプローブをリリースしています。現在では機内計測の分野で世界的なシェアを持ち、CNCコントローラメーカー各社が標準で対応するほどの地位を確立しています。これは使えそうです。


タッチプローブの仕組みはシンプルです。スタイラス(測定子)と呼ばれる細い棒の先端をワーク表面に接触させると、接触信号(トリガー信号)が発生します。この信号がNC制御機に送られ、そのときの座標値が記録される仕組みです。この座標値を使って、ワークの位置ずれ量を自動的に計算し、加工原点のオフセットを自動更新できます。つまり、熟練オペレータでなくても一定の精度で芯出しが完了するということですね。


通信方式は3種類あり、オプチカル(赤外線)、無線(FHSS方式)、ハードワイヤから機械の構造や用途に合わせて選択します。特に5軸加工機のように機内での見通しが確保しにくい機械には、周波数ホッピングスペクトラム拡散(FHSS)技術を使った無線方式のRMP600などが適しています。最大15mの信号伝達範囲を持つため、大型機にも対応可能です。


参考:レニショー公式 – ワーク芯出しおよび寸法計測用の工作機械用プローブ
https://www.renishaw.com/jp/machine-tool-probes-for-workpiece-set-up-and-inspection--6075


機内計測でレニショーの芯出し自動化が段取り時間を10分の1にする理由

金属加工の現場では、段取り時間の長さが収益性に直結します。手動での芯出し作業は、ダイヤルゲージやエンドミルで基準面を探りながらオフセット値を計算し、手入力するという手順を踏むため、経験の浅い作業者では20〜30分かかることも珍しくありません。一方、レニショーのプローブによる自動芯出しを使うと、この作業が最大で手動の10分の1の時間で完了します。30分かかっていた作業が3分以内で終わる計算です。


芯出しの時間が短縮できるのが基本です。


この時間短縮が生み出す経済効果は、想像以上に大きくなります。たとえば、1台のCNC機械が1日8時間稼働している現場で、段取り替えが1日5回あるとします。従来の手動芯出しが1回30分かかっていたとすると、1日合計2.5時間が段取りに消えていることになります。プローブ導入後に段取り1回あたり3分に短縮できれば、同じ1日で稼働できる切削時間が約2時間以上増える計算です。年間で換算すると、加工機1台あたり数百時間の稼働時間を追加できることになります。


また、プローブによる芯出しはプログラムで完全に自動化できるため、熟練オペレータに依存する必要がなくなります。段取り作業の属人化が解消されると、夜間の自動運転や少人数での工場運営が現実的になるという点も、機内計測の大きな副次効果です。


さらに「Inspection Plus with SupaTouch」というレニショーのソフトウェア技術を使うと、計測サイクル自体もインテリジェントに最適化されます。各計測でシングルタッチとダブルタッチを自動判断して使い分けるため、精度を維持しながら計測サイクルタイムも大幅に削減できます。これは使えそうです。


参考:レニショー公式 – 芯出し・段取り計測
https://www.renishaw.com/jp/process-setting--14158


機内計測のインサイクル計測と工具摩耗補正でスクラップを根絶する方法

機内計測の真価は、加工の「途中」にも発揮されます。インサイクル計測(工程内制御)とは、加工プログラムの途中でプローブが自動的に動き出し、今まさに加工中のワークの寸法を確認して、必要なら工具オフセットを自動更新する仕組みです。加工の最中に機械自身が判断して補正をかけるわけです。


この仕組みが特に重要なのは、工具摩耗と熱変位の問題があるからです。切削工具は使えば使うほど摩耗し、刃先の位置が微妙にずれていきます。また、工作機械は加工熱や室温変化によって機械構造そのものが伸縮します。こうした変化は避けられません。


問題は、これらの変化を人間の目や手で感知するのが難しいという点です。工具が0.01mm摩耗しても目には見えず、気づかないまま加工を続けた結果、後工程で公差外れが発覚するケースが現場では頻繁に起きています。厳しいところですね。


レニショーのRMP600(繰り返し精度0.25µm 2σ値)のような高精度プローブを使ったインサイクル計測なら、髪の毛の直径(約70µm)の数百分の1という微小な変化を機内で捉え、即座にオフセットに反映できます。「不良品が出てから気づく」ではなく、「不良品が出る前に補正する」というプロセスに変わるわけです。


スクラップゼロが条件です。


英国の精密加工請負会社Intoco社の事例では、レニショーのRMP600を搭載したMazak Integrexシリーズを使い、直径2,300mm・高さ1,500mmという超大型パーツの機内計測を実現しています。「溶接修理は一切許されない」という厳しい要求を持つ単品加工で、「一発で良品を出す」ためにプローブが不可欠だったと同社のエンジニアは述べています。このような事例は、大型・単品・高付加価値ワークを扱う現場ほど機内計測の恩恵が大きいことを示しています。


参考:レニショー – レニショープローブ計測は、スクラップを低減し時間を節約します
https://www.renishaw.com/jp/renishaw-probing-reduces-scrap-and-saves-time-at-precision-subcontractor--27494


機内計測でレニショーの工具計測システムNC4が工具折損による損失を防ぐ

ワークだけでなく、工具そのものを機内で計測することも、機内計測の重要な柱です。レニショーのNC4シリーズは、レーザービームを使った非接触式の工具計測・工具折損検出システムで、工具が回転したままの状態でも計測できるのが大きな特徴です。接触式のツールセッターでは測定時に工具を停止させる必要がありますが、NC4なら回転中の実際の刃先径・工具長を計測でき、より実態に近い値が得られます。


NC4が検出できる項目は幅広く、工具長・直径・半径・工具振れ・工具折損・工具の欠け・バリや切り粉の付着・主軸方向の熱膨張など、加工品質に関わるあらゆるパラメータをカバーしています。最新モデルのNC4+ Blue F100は繰り返し精度±0.1µm(2σ値)を達成しており、最小5µmの微細工具まで検出可能です。


工具折損の検出は特に重要な機能です。折損した工具に気づかず加工を続けると、ワーク全体が廃棄になるだけでなく、機械の主軸やチャックに甚大なダメージを与えるリスクがあります。イタリアのDucati社では、NC4の工具折損検出により、エンジン部品加工に使う小径工具の折損をリアルタイムで発見できるようになり、「NC4がなければ工具折損に気づかず機械に大きな損害が出ていたはずだ」とコメントしています。痛いですね。


また、NC4はエアブロー機構を内蔵しており、計測前に工具から切り粉やクーラントを吹き飛ばすことができます。これにより、切り粉の付着による計測誤差を防ぎ、過酷な加工環境下でも安定した計測精度を維持します。保護性能もIPX6・IPX8を確保しており、クーラントが飛び散る機内でも問題なく動作します。


参考:レニショー公式 – CNC機械用高機能レーザーツールセッター
https://www.renishaw.com/jp/advanced-laser-tool-setters-for-cnc-machines--6099


機内計測とProductiveProcessPyramid™が実現する加工自動化と無人運転の実際

レニショーが提唱する「Productive Process Pyramid™(ピラミッド型高生産性プロセス)」は、機内計測をどのタイミングで・どの目的で使うかを整理した体系的なフレームワークです。このフレームワークは4つの層で構成されており、機内計測はすべての層に関わります。


1層目の「精度管理の基本」では、機械そのものの状態を最適に保つことが目的です。工作機械の幾何学的精度の診断ツール(QC20ボールバーなど)を使った定期的なヘルスチェックがこの層に含まれます。これにより、機械の状態起因のばらつきを事前に排除します。


2層目の「芯出し・段取り計測」は、加工開始直前にワーク位置や工具長を自動計測してオフセットを更新する層です。ここでタッチプローブが中心的な役割を果たし、人為的な段取りミスを排除します。


3層目の「工程内制御」では、加工中に寸法をリアルタイムでチェックし、工具摩耗や熱変位を補正します。インサイクル計測がこの層です。


4層目の「加工後モニタリング」では、完成したパーツの寸法データを記録し、工程能力のトレンドを把握します。顧客への品質証明書の発行や次ロットへのフィードバックに活用されます。


4層すべてを機内計測で回すことで、工場の自動化・無人化が視野に入ってきます。実際、レニショーは「無停止運転・無人運転での加工」をサポートすることを明示しており、設備投資の回収を早めながら夜間・休日稼働での生産量増大が実現します。加工機を増台するより先に、今ある機械の稼働率を上げることが先決という発想です。これが原則です。


既存のCNC工作機械でも、後付け(レトロフィット)でレニショープローブを追加設置できます。機械を買い替えずに導入できるのは、設備更新のタイミングを柔軟に組める点でメリットが大きいです。導入を検討する際は、まずレニショーのプローブセレクタ(オンラインツール)で自社の機械タイプや用途に合ったシステムを絞り込むと、スムーズに選定できます。


参考:レニショー公式 – 生産工程を一新(Productive Process Pyramid™)
https://www.renishaw.com/jp/transform-your-manufacturing--32600






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