エクフィナ錠50mgを「MAO-B阻害薬の中で最も薬価が高い」と思い込んでいると、算定漏れで1処方あたり数千円の損失が出ることがあります。

エクフィナ錠50mg(一般名:サフィナミドメシル酸塩)は、スイスのZambon社が開発したパーキンソン病治療薬です。日本では2020年にエーザイ株式会社が販売を開始し、薬価収載されました。MAO-B(モノアミン酸化酵素B型)選択的阻害作用に加え、グルタミン酸放出抑制作用を持つ点が、従来のMAO-B阻害薬との最大の違いです。
現行の薬価は1錠(50mg)あたり197.80円です。1日1錠・28日分処方した場合の薬剤費は197.80円×28=約5,538円となります。これはコーヒー約27杯分に相当する金額で、外来患者の窓口負担にも影響します。
後発医薬品(ジェネリック)は2026年3月時点では存在しません。つまり薬価交渉による仕入れコスト削減の手段が限られており、院内採用を検討する際には薬価そのものへの理解が重要になります。
薬価が気になるところですね。
薬価収載時の算定方式は「類似薬効比較方式(I)」が適用され、比較薬としてラサギリンメシル酸塩(アジレクト錠)が参照されました。この選定理由はMAO-B選択的阻害という共通の薬理機序にあります。ただし、サフィナミドはグルタミン酸調節作用という付加価値を持つため、薬価算定上の補正加算が加えられた経緯があります。
参考として、薬価基準の収載情報は厚生労働省の公式ページで確認できます。
薬価基準収載品目リスト(厚生労働省)。
https://www.mhlw.go.jp/topics/2024/04/tp20240401-01.html
エクフィナ錠50mgの保険適用における最重要要件は、レボドパ含有製剤との併用です。これが原則です。
単独投与では保険適用外となるため、処方箋を作成する段階で必ず他剤との併用関係を確認する必要があります。見落としがちなのは、処方箋に記載されているレボドパ製剤が「別の医療機関で処方されている場合」です。院外処方において患者が他院からレボドパ製剤を受け取っているケースでは、調剤薬局側で確認作業が必要になります。
適応疾患はパーキンソン病(レボドパ含有製剤で治療中のウェアリングオフ現象の改善)に限定されます。
用法・用量は「1日1回50mgを食後に経口投与」と定められており、増量規定はありません。つまり1錠/日が固定です。これはラサギリン(1mg/日)やセレギリン(2.5mg〜5mg/日)と異なり、用量調整の概念がないことを意味します。処方変更の際に用量を変えようとすると適応外使用になるため注意が必要です。
処方上の注意点として、以下の禁忌・慎重投与もあわせて確認してください。
処方要件を一度整理しておくと、請求ミスを防ぎやすくなります。
エーザイの製品情報ページでは、添付文書や患者向け資材も閲覧可能です。
エクフィナ錠 製品情報(エーザイ株式会社)。
https://www.eisai.co.jp/medicine/brand/ekfina/
薬価は毎年4月に改定されます。これが原則です。
2021年度から「毎年薬価改定」が実施されるようになり、奇数年は全品改定、偶数年は市場実勢価格との乖離が大きい品目を対象とした改定が行われています。エクフィナ錠50mgも例外ではなく、収載以来複数回の薬価引き下げを経ています。
具体的に影響が出るのは調剤報酬請求の場面です。前年度の薬価で請求システムが更新されていない場合、4月以降に旧薬価で請求してしまうリスクがあります。1件あたりの差額は数円であっても、月間処方件数が多い施設では年間で数万円単位の過誤請求につながる可能性があります。
これは見逃せません。
医療機関・薬局の実務担当者が毎年4月初旬に確認すべき作業は次の通りです。
最新の薬価基準は以下のデータベースで検索できます。保険薬局・病院薬剤部のどちらでも活用しやすいインターフェースです。
医薬品医療機器情報提供ホームページ(PMDA)。
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/
パーキンソン病治療に使用されるMAO-B阻害薬は現在、日本では主に3剤が使用されています。セレギリン塩酸塩(エフピー錠OD)、ラサギリンメシル酸塩(アジレクト錠)、そしてサフィナミドメシル酸塩(エクフィナ錠50mg)です。
薬価を比較すると以下のようになります。
| 薬剤名 | 規格 | 薬価(1錠) | 後発品 |
|---|---|---|---|
| エフピー錠OD 2.5mg | 2.5mg | 約57円前後 | あり |
| アジレクト錠 1mg | 1mg | 約151円前後 | なし |
| エクフィナ錠 50mg | 50mg | 197.80円 | なし |
※薬価は年度ごとに改定されるため、必ず最新の薬価基準を参照してください。
この比較から、エクフィナ錠50mgは同クラスの中で最も薬価が高い薬剤に位置することが分かります。ただし、薬価の高さだけで処方を避けるのは適切ではありません。
薬価が高いから不利、とは一概に言えません。
エクフィナ錠50mgを選択する臨床的根拠として注目されているのは「ウェアリングオフ改善効果とジスキネジア抑制効果の両立」です。ラサギリンがウェアリングオフ改善を主なエビデンスとしているのに対し、サフィナミドはグルタミン酸放出抑制によりジスキネジアを悪化させにくいとする報告があります。ジスキネジアが問題となっている患者への切り替え候補として検討できる薬剤です。
薬価の高さと治療上のメリットを天秤にかけた上で選択することが、処方の質を高めます。患者の自己負担が増える点も加味しながら、インフォームド・コンセントの中で薬価情報を共有することも現場では求められています。
ここでは、実際の請求業務で見落としやすいポイントを具体的に整理します。これは使えそうです。
① 「ウェアリングオフ現象」の記載漏れによるレセプト査定リスク
エクフィナ錠50mgの適応は「パーキンソン病(レボドパ含有製剤で治療中のウェアリングオフ現象の改善)」と明確に定義されています。レセプトの傷病名欄に「パーキンソン病」とだけ記載し、ウェアリングオフに関する記載がない場合、審査において適応の根拠が不明確と判断されるリスクがあります。傷病名またはコメントに「ウェアリングオフ現象あり」の記載を入れることが実務上の対策として有効です。
② 重複投与チェックの重要性
MAO-B阻害薬は同一薬効クラスの重複投与が禁忌です。エクフィナ錠50mgとアジレクト錠、あるいはエフピー錠ODを同時に処方・調剤することは絶対に避けなければなりません。電子カルテや調剤システムのDIチェック機能を必ず有効にしておくことが求められます。システムに頼るだけでなく、薬剤師による最終確認も必須です。
チェックは二重にするのが原則です。
③ 食後投与の指示の徹底
エクフィナ錠50mgは食後投与が規定されています。空腹時投与では消化器症状のリスクが高まることが報告されています。服薬指導においても「必ず食後に飲む」という点を強調し、飲み忘れた際に「食後の時間が過ぎたら次の食後まで待つ」よう案内することが適切です。
④ 海外での使用状況との相違への注意
欧米ではサフィナミドが単独投与に近い形で使用される試みも研究段階で報告されていますが、日本の薬価収載・保険適用においてはレボドパ含有製剤との併用が条件です。海外の情報をそのまま国内診療に当てはめることは、保険請求上のリスクにつながります。
⑤ 長期処方と在庫管理
エクフィナ錠50mgは現在、後発品がないため仕入れ価格の交渉余地が限られています。採用薬として在庫を持つ場合は使用頻度を見越した発注管理が必要で、期限切れ廃棄による損失を防ぐためにも定期的な在庫確認が求められます。
パーキンソン病の薬物療法全般について、より詳しい診療ガイドラインは以下を参照してください。
パーキンソン病診療ガイドライン2023(日本神経学会)。
https://www.neurology-jp.org/guidelinem/parkinson_2023.html

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