デュオトラバ配合点眼液の薬価と選定療養・後発品の最新情報

デュオトラバ配合点眼液の薬価は2025年4月改定で677.10円から572.50円へ、さらに2026年4月から441.00円へと段階的に引き下げられています。後発品・選定療養の影響を正しく把握できていますか?

デュオトラバ配合点眼液の薬価と後発品・選定療養の最新情報

先発品を処方し続けると、患者の窓口負担が通常の1〜3割に加え、差額の4分の1が上乗せされます。


この記事の3つのポイント
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薬価の推移と現在値

デュオトラバ配合点眼液(先発品)の薬価は2025年4月に677.10円→572.50円/mLへ改定。2026年4月からはさらに441.00円/mLへ引き下げられる。

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後発品との価格差と選定療養

後発品「トラチモ配合点眼液『ニットー』」は2026年4月から286.30円/mL。先発品を希望する患者は2024年10月より差額の4分の1を自己負担として別途支払う必要がある。

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処方時の重要な注意点

用法は1日1回1滴。頻回投与は眼圧降下作用を減弱させる可能性があり、喘息既往・心不全等は禁忌。β遮断薬全身投与との相互作用にも要注意。


デュオトラバ配合点眼液の薬価推移と2026年改定後の最新数値



デュオトラバ配合点眼液(一般名:トラボプロスト・チモロールマレイン酸塩液)は、ノバルティスファーマが販売するプロスタグランジンF2α誘導体とβ遮断の配合緑内障治療薬です。薬価はこの数年で大きく変化しています。


2010年の薬価収載時には1mLあたり1,360.00円でした。その後、後発品の登場と薬価改定を繰り返し、2024年3月時点では898.50円前後、2024年度末(2025年3月31日まで)には677.10円まで段階的に下落しました。2025年4月1日以降は572.50円/mLとなり、さらに2026年4月1日以降は441.00円/mLへの引き下げが確定しています。収載から15年余りで薬価は約3分の1以下まで圧縮されたことになります。


つまり、年を追うごとに薬価が下がり続けているということですね。





























時期 薬価(1mLあたり) 備考
2010年収載時 1,360.00円 日本アルコン(当時)発売
2025年3月31日まで 677.10円 旧薬価
2025年4月1日〜 572.50円 現行薬価
2026年4月1日〜 441.00円 次期改定薬価


処方実務上、薬価は2年ごとの診療報酬改定だけでなく、後発品置換率が一定水準を超えた場合の「特例引き下げ」も発動します。デュオトラバ配合点眼液のような配合剤は、後発品登場後に急速に置換が進むことが多く、これが薬価の大幅な下落につながっています。


処方選択に迷う場合は、最新の薬価情報を日常的に参照することが基本です。薬価の変更は毎年4月に行われるため、前年度の数値を使い続けないよう注意が必要です。


参考:薬価サーチによる同種薬・薬価一覧(常時更新)
デュオトラバ配合点眼液の同種薬・薬価一覧 - 薬価サーチ


デュオトラバ配合点眼液の後発品「トラチモ」との薬価差と切り替えメリット

後発品にあたるトラチモ配合点眼液「ニットー」(東亜薬品)の薬価は、2025年4月以降339.00円/mL、2026年4月以降は286.30円/mLです。現行の先発品572.50円との差は233.50円/mLにのぼり、これは先発品の約4割安に相当します。


1本あたりの容量は2.5mLが標準的で、5本包装(12.5mL)が一般的な処方単位です。12.5mL換算で計算すると、先発品デュオトラバが約7,156円(包装薬価)であるのに対し、後発品トラチモは約4,238円程度です。差額はおよそ2,900円となり、コンビニの弁当数食分ほどの差が生じます。


数字にすると差が見えやすいですね。


長期的に処方する緑内障患者が多い眼科では、後発品への切り替えにより患者一人あたり月数百円〜1,000円超の薬剤費削減が見込めます。緑内障は生涯にわたる点眼治療が必要なため、年単位・十年単位で見ると患者負担軽減の効果は決して小さくありません。



  • 先発品(デュオトラバ):572.50円/mL → 2026年4月以降441.00円/mL

  • 後発品(トラチモ「ニットー」):339.00円/mL → 2026年4月以降286.30円/mL

  • 現行薬価での差額:1mLあたり233.50円(後発品は先発品の約59%)

  • 12.5mL(5本パック)換算での差額:約2,900円


また、山梨大学医学部附属病院の資料によると、院内薬事委員会においてデュオトラバ配合点眼液からトラチモ配合点眼液「ニットー」への切り替えを決定した事例も報告されています。有効成分・濃度・用法用量は両剤とも同一であるため、臨床的に代替可能と判断されることがほとんどです。


後発品への切り替えが可能かどうか確認する際は、同一成分・規格であることを添付文書で必ず照合することが条件です。


参考:後発医薬品の切り替え対象としてトラチモが挙げられた院内情報
後発医薬品の切り替えについて(山梨大学医学部附属病院 薬剤部)


デュオトラバ配合点眼液が選定療養の対象となる理由と患者説明のポイント

2024年10月1日から、「長期収載品の選定療養制度」が導入されました。後発品が存在する先発品(長期収載品)を患者が希望した場合、通常の自己負担(1〜3割)に加え、先発品と後発品の薬価差の4分の1相当を「特別の料金」として患者が自費で支払う仕組みです。


デュオトラバ配合点眼液は、この制度の対象薬に指定されています。これが意外と認識されていない重要な点です。


具体的な計算例を見てみましょう。現行薬価で1mLあたりの差額は233.50円です。その4分の1は約58.4円で、これに消費税(10%)を乗じた額が患者の追加負担分となります。12.5mL処方の場合、特別料金は約730円(税込)です。たとえ1割負担の高齢患者であっても、この特別料金だけは全額自己負担となります。これは患者が知らないと「窓口でのトラブル」に直結する事実です。


医療上の必要性が認められる場合(例:後発品に使用禁忌となる成分が含まれるアレルギー等)は、選定療養の対象外となります。この「医療上の必要性」の判断と記録は、医師・薬剤師双方に求められる実務上の責任です。


患者に説明する際は、「後発品への切り替えで特別料金がなくなる」という伝え方が、患者が行動しやすい構造になります。制度の背景を説明するよりも、患者の経済的メリットを端的に示すほうが、理解と同意を得やすい傾向があります。


参考:厚生労働省による長期収載品の選定療養に関するQ&A
「長期収載品の選定療養」導入 Q&A(厚生労働省)


デュオトラバ配合点眼液の用法・禁忌・相互作用における薬価以外の処方リスク

薬価だけが処方判断の基準ではありません。デュオトラバ配合点眼液には、見落とすと重大な有害事象につながる禁忌・注意事項が存在します。


用法は「1回1滴、1日1回点眼」です。添付文書には「頻回投与により眼圧降下作用が減弱する可能性があるため、1日1回を超えて投与しないこと」と明記されています。これは重要な注意点です。1日2回投与したからといって効果が2倍になるわけではなく、むしろ効果が減弱するという逆効果のリスクがあります。


禁忌は以下の通りです。



  • 本剤成分に過敏症の既往歴のある患者

  • 気管支喘息またはその既往歴のある患者、重篤な慢性閉塞性肺疾患(COPD)のある患者

  • コントロール不十分な心不全、洞性徐脈、房室ブロック(II・III度)または心原性ショックのある患者


チモロールマレイン酸塩成分はβ遮断薬であり、点眼薬とはいえ全身に吸収される可能性があります。気管支喘息患者への誤処方は、喘息発作の誘発・増悪という生命に関わるリスクに直結します。内科や循環器科でβ遮断薬を全身投与中の患者では、相加的なβ遮断作用の増強が起こりえるため、他科との情報共有が必須です。


厳しいところですね。


相互作用として特に注意が必要なのは、アドレナリン・カテコールアミン枯渇剤(レセルピン等)・全身投与β遮断薬(アテノロール・プロプラノロールなど)・カルシウム拮抗薬(ベラパミル・ジルチアゼム)・ジギタリス製剤・CYP2D6阻害薬(キニジン・SSRI)との組み合わせです。特に、オミデネパグ イソプロピルとの併用では、結膜充血等の眼炎症性副作用の発現頻度が上昇したとの報告があります。


また、虹彩色素沈着については「投与中止後も消失しない」ことが報告されており、患者への十分なインフォームドコンセントが求められます。片眼のみに使用している場合、左右の虹彩色調に差が生じることがある点は、特に説明が必要な副作用です。


参考:KEGG Medicus(デュオトラバ配合点眼液 添付文書情報)
医療用医薬品:デュオトラバ(デュオトラバ配合点眼液)- KEGG Medicus


デュオトラバ配合点眼液の薬価を活かした処方設計の独自視点:配合剤の「1日薬価」で考えるコスト感覚

薬価を正確に理解するには、「1mLあたりの薬価」だけでなく「1日あたりの薬価(1日薬価)」に落とし込む視点が重要です。これは意外と見落とされがちな観点です。


デュオトラバ配合点眼液の現行薬価572.50円/mLをもとに1日薬価を計算してみましょう。1滴は約30〜50μL(0.03〜0.05mL)とされています。仮に1滴を0.04mLとすると、1日1滴使用した場合の1日薬価は約22.9円です。これはコンビニの一番安いガムより安い計算です。


2010年収載時(1,360.00円/mL)の1日薬価は約54.4円だったため、現在は当時の約42%にまで下落しています。2026年4月の441.00円/mLでは1日薬価が約17.6円になる見込みで、月単位では約530円程度の薬剤費となります。


































時期・製品 薬価(/mL) 1日薬価の目安 月薬価の目安
デュオトラバ(2025年4月〜) 572.50円 約22.9円 約687円
デュオトラバ(2026年4月〜) 441.00円 約17.6円 約529円
トラチモ(2025年4月〜) 339.00円 約13.6円 約407円
トラチモ(2026年4月〜) 286.30円 約11.5円 約344円


※1日1滴(約0.04mL)使用として試算。実際の処方量・包装単位によって異なる。


この「1日薬価」の視点は、患者への薬剤費説明においても有効です。「この目薬1本で約2か月分です。1日あたりに換算すると20円台です」という伝え方は、患者の費用感を正確に伝えられます。


配合剤の薬価は高く見えますが、2剤を別々に処方した場合と比べてトータルコストは低くなることが多いです。たとえば、トラボプロスト単剤とチモロール単剤を別々に処方すると、薬価の合算は配合剤よりも高くなる場合があります。加えて、配合剤は1日1回・1種類の点眼で済むため、アドヒアランス向上にも寄与し、治療成績の安定にもつながります。


つまり、配合剤の薬価をシンプルに「高い」と判断するのは早計だということですね。


処方設計において1日薬価の視点を活用したい場合は、各薬価検索サービスに掲載されている「1日薬価」の欄を確認することで、製品間の比較が容易になります。厚生労働省の薬価基準収載品目リストも定期的に更新されているため、改定直後には必ずチェックしておくことをお勧めします。


参考:KEGG Medicus による同効薬の薬価一覧と商品情報
商品一覧:トラボプロスト・チモロールマレイン酸塩(KEGG Medicus)






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