ダラシンTゲルを正しく使っているつもりでも、約30〜40%の患者でアクネ菌の耐性化が起こり、ニキビが悪化します。

ダラシンTゲルの主成分であるクリンダマイシンは、アクネ菌(Cutibacterium acnes)の増殖を抑制する抗菌薬です。にきび治療において広く処方されてきた薬剤ですが、使用状況によっては症状が改善しないどころか悪化するケースが存在します。
原因の第一は、抗菌薬耐性菌の出現です。クリンダマイシン単剤を長期間使用し続けると、耐性を持ったアクネ菌の割合が増加します。これが核心です。
日本皮膚科学会の「尋常性ざ瘡治療ガイドライン」では、クリンダマイシン単独の長期使用によって耐性アクネ菌の検出率が上昇することが明記されています。実際の臨床データでは、クリンダマイシン単剤を12週間以上継続した場合、耐性率が使用前の数倍にまで上昇するという報告もあります。
もう一つ見落とされがちな原因が、不適切な使用法です。たとえば1日2回以上塗布したり、保湿ケアを省いて皮膚バリアを壊したりすると、薬剤の刺激が炎症をかえって悪化させることがあります。乾燥による皮脂過剰分泌も新たなニキビの温床になります。
つまり「薬が合わない」のではなく「使い方と治療設計の問題」が多いということですね。
日本皮膚科学会「尋常性ざ瘡治療ガイドライン2023」(耐性菌対策・推奨薬剤の詳細が記載)
耐性菌対策として最も有効かつエビデンスレベルの高いアプローチが、BPO(過酸化ベンゾイル)との併用療法です。意外ですね。
BPOは活性酸素を産生してアクネ菌を直接破壊するため、耐性菌が発生しにくいという性質があります。クリンダマイシン+BPOの配合剤(海外ではDuac®など)を使用した臨床試験では、クリンダマイシン単剤と比較して、12週後の耐性アクネ菌の検出率が有意に低く抑えられたという報告があります。
日本では現