ボルタレンテープジェネリックの種類と先発品との違いを徹底解説

ボルタレンテープのジェネリックには10種類以上の後発品があるが、薬価が先発品と同額になった銘柄が多く、処方・調剤時の加算算定に影響する。医療従事者が知るべき選択のポイントとは?

ボルタレンテープのジェネリック、種類と先発品との違いを正しく理解する

ボルタレンテープのジェネリックへの変更で、加算が取れず施設の後発品使用率が下がる可能性があります。


この記事の3ポイント
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ジェネリックの種類は10種類以上

ボルタレンテープ30mgのジェネリックは10銘柄以上が存在する。しかし薬価が先発品と同額(17.60円/枚)になった銘柄が多く、「加算対象外」として扱われる銘柄がほとんどという現状がある。

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薬価逆転で後発品調剤体制加算に影響

令和7年4月の薬価改定により、ジクロフェナクナトリウムテープ30mg(全メーカー)が「★(加算対象外後発品)」に区分変更。後発品調剤体制加算の算定実績に影響が出る可能性がある。

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先発品と後発品の実質的な差は添加物と粘着力

有効成分・薬価が同等でも、粘着基剤などの添加物は銘柄ごとに異なる。皮膚症状や剥がれやすさに差が出ることがあり、患者からの申し出で先発品希望となるケースも現場では見られる。


ボルタレンテープのジェネリック一覧と薬価区分の現状


ボルタレンテープは、有効成分「ジクロフェナクナトリウム」を含む経皮鎮痛消炎剤の先発医薬品です。製造販売元は同仁医薬化工(販売:ノバルティスファーマ)で、15mgと30mgの2規格があります。サイズは30mgがはがきとほぼ同じ大きさ(10cm×14cm)、15mgがその半分(7cm×10cm)です。


ジェネリック(後発品)は現在10銘柄以上が流通しており、代表的なものには以下があります。


| 商品名 | メーカー | 薬価(30mg/枚) | 加算区分 |
|---|---|---|---|
| ジクロフェナクNaテープ30mg「日医工」 | 日医工/共和薬品 | 17.10円 | 加算対象 ⭕️ |
| ジクロフェナクNaテープ30mg「テイコク」 | 帝國製薬 | 17.60円 | 加算対象外 ❌ |
| ジクロフェナクNaテープ30mg「ユートク」 | 祐徳薬品 | 17.60円 | 加算対象外 ❌ |
| ジクロフェナクNaテープ30mg「ラクール」 | 三友薬品 | 17.60円 | 加算対象外 ❌ |
| ジクロフェナクNaテープ30mg「トーワ」 | 東和薬品 | 17.60円 | 加算対象外 ❌ |
| ジクロフェナクNaテープ30mg「JG」 | 日本ジェネリック | 17.60円 | 加算対象外 ❌ |
| ジクロフェナクNaテープ30mg「NP」 | ニプロファーマ | 17.60円 | 加算対象外 ❌ |
| ジクロフェナクNaテープ30mg「三和」 | 三和化学研究所 | 17.60円 | 加算対象外 ❌ |


ポイントはここです。先発品(ボルタレンテープ30mg)の薬価も17.60円/枚であり、ほぼすべてのジェネリックが先発品と同額の薬価になっています。加算対象として残っているのは、現時点では「日医工」の17.10円品1銘柄のみです(2025年4月時点)。


つまり薬価だけで選ぶと意味がない状況です。


令和7年4月の薬価改定で、ジクロフェナクナトリウムテープ30mg(全メーカー)は診療報酬上の「★(算定上の後発品に該当しない後発品)」に区分変更されました。薬機法上の後発品であることは変わらないため変更調剤自体は可能ですが、後発品調剤体制加算の算定実績としてはカウントされない点に注意が必要です。


参考:ボルタレンテープ30mgの先発品・後発品(ジェネリック)一覧(先発品・後発品比較・薬価情報)
https://www.data-index.co.jp/medsearch/ethicaldrugs/compare/?trn_toroku_code=2649734S2070


ボルタレンテープのジェネリックと先発品の薬理学的な違い

有効成分はいずれも「ジクロフェナクナトリウム」であり、主薬の含量・規格は先発品と同等です。これが原則です。


ただし、添加物(基剤・粘着剤・保存剤など)は銘柄ごとに異なります。貼付剤の場合、この添加物の違いが皮膚への接触感や粘着力、かぶれやすさなどに影響するケースが実臨床で報告されています。モーラステープ(ケトプロフェン)でも同様の報告があり、「ジェネリックに変更したら剥がれやすくなった」という患者からの訴えは珍しくありません。


皮膚症状には個人差があります。


生物学的同等性試験については、厚生労働省の承認審査で先発品に対し「Cmax・AUCの90%信頼区間が80〜125%以内」であることが確認されており、臨床上の有効性・安全性は先発品と同等と見なされています。日本ジェネリック医薬品学会が発行したジクロフェナクナトリウム局所皮膚適用製剤の情報集(ジェネリック研究誌)でも、各社の生物学的同等性データが公開されています。


一方で気をつけたいのは副作用の出現パターンです。先発品では問題なかった患者で、ジェネリックへ切り替えた後に接触皮膚炎が出たというケースもゼロではありません。主成分による薬理反応ではなく、添加物への感作が原因と考えられるケースもあります。長野県の薬事アンケート報告にも「先発品への効果不十分や粘着力の弱さを患者が指摘した」という事例が記録されています。


ジェネリックに変えたら症状が変わった、という患者のサインは見逃せません。


ボルタレンテープ(全規格)の副作用としては、0.1〜5%未満の頻度で皮膚炎・かゆみ・発赤・刺激感が報告されており、0.1%未満で水疱・色素沈着も見られます。頻度不明として光線過敏症・皮膚浮腫なども添付文書に記載されています。これらの副作用リスクは先発品・後発品に共通しており、特定の銘柄に限ったものではありません。


参考:ボルタレンテープ(巣鴨千石皮ふ科 経皮鎮痛消炎薬の解説)
https://sugamo-sengoku-hifu.jp/medicines/voltaren.html


選定療養と長期収載品としてのボルタレンテープの扱い

2024年10月1日から施行された「長期収載品の選定療養」制度は、医療従事者として必ず把握しておきたい変更点です。意外ですね。


ボルタレンテープ15mg・30mgは、この選定療養の対象品目として収載されており、患者が先発品(ボルタレンテープ)を希望した場合、後発品との差額の4分の1相当を患者が自己負担する仕組みになっています。


具体的な計算例で説明します。たとえばボルタレンテープ30mgの先発品が17.60円/枚、後発品の中で最も高い薬価が17.10円/枚(日医工品)の場合、差額は0.50円/枚です。その4分の1(0.125円/枚)が保険外で上乗せされる計算になります。枚数が増えれば負担額も積み上がります。


これは患者説明が欠かせません。


ただし、ここで現場で見落とされがちな注意点があります。それはボルタレンテープ30mgの後発品の大半(9銘柄)が先発品と同額の17.60円/枚になっているという実態です。差額がゼロないしごくわずかのため、「選定療養費」の金額が実質ゼロに近くなるケースが多々あります。一方で15mg規格は後発品(11.50円/枚)と先発品(12.70円/枚)の間に差があり、差額の4分の1がある程度の負担となります。


2026年4月1日付の薬価改定では、選定療養の対象品目リストが更新されており、対象外となった品目が264品目ある一方で新規追加も34品目あります。ボルタレンテープの扱いについては最新の厚生労働省リストを随時確認することが求められます。


「先発を希望した患者に余計な負担がかかるのか」と患者から問われたとき、差額の根拠を説明できる準備が必要です。それが原則です。


参考:長期収載品に係る選定療養の対象医薬品(2026年4月1日改定対応)
https://nagano-hok.com/shaho/18501.html


参考:後発医薬品調剤体制加算の算定から除外された後発品一覧(令和7年度改定)
https://yakuzaishi.love/entry/令和7年度薬価改定で算定から除外された後発品


ボルタレンテープのジェネリック変更時に確認すべき禁忌・注意事項

後発品変更の際は、薬価や加算区分だけでなく安全性情報も確認が必要です。


ボルタレンテープ(先発品・後発品共通)の禁忌は、①ジクロフェナクナトリウムまたは本剤成分への過敏症の既往、②アスピリン喘息(NSAIDsで誘発される喘息)またはその既往歴のある患者、の2点です。後発品に変更した後も、この禁忌要件は変わりません。後発品の銘柄ごとの添加物が変わるため、もし患者が添加物アレルギーを持っている場合には追加確認が必要になるケースがあります。


添加物アレルギーは盲点になりやすいですね。


また、慎重投与が必要な患者についてもあらためて整理しておきます。気管支喘息患者(アスピリン喘息の可能性を含む)、皮膚感染症のある患者、妊婦または妊娠の可能性のある患者が代表的です。特に妊娠後期(妊娠28週以降)については、NSAIDs外皮用薬の使用で胎児動脈管収縮の報告があり、2024年10月には改訂安全性情報も発出されています(NSAIDsに重大な副作用追加)。貼り薬だから安全という思い込みは禁物です。


他剤との相互作用では、ニューキノロン系抗菌薬(レボフロキサシンなど)との併用でけいれん誘発リスクの上昇が報告されています。これはCOX阻害によるGABA受容体への結合阻害増強が原因と考えられており、特に高齢者や入院患者など多剤処方が多い場面では注意が必要です。


ジェネリックへ変更しても、相互作用リスクはまったく同じです。


用法・用量については、ボルタレンテープは1日1回の貼付が基本です。この点は先発品・後発品で変わりません。15mgと30mgの使い分けは、患部の面積や疼痛の程度、患者の体格などを考慮して医師が判断します。30mgを切って使用することも添付文書上では認められており、患部の広さに合わせた対応が可能です。


医療従事者が見落としがちな、ジェネリック変更と後発品使用率算定の落とし穴

ここは現場でよく知られていない独自視点の話です。「ジェネリックを処方・調剤すれば後発品使用率が上がる」と単純に考えている医療機関は少なくありません。しかしボルタレンテープに関しては、その常識が通じない状況になっています。


後発品調剤体制加算(後発医薬品調剤体制加算1〜3)を算定するためには、後発品の使用(調剤)割合が一定の基準(現行制度では75%・80%・85%以上などの施設基準)を超えている必要があります。ここで重要なのが、薬価が先発品と同額または高い後発品は「★(算定上の後発品から除外)」として扱われ、この割合の計算に含まれないという点です。


つまり、ボルタレンテープ30mgのジェネリックを「日医工」品以外で調剤しても、後発品使用率の分母・分子のどちらにも算入されないケースがほとんどです。施設によっては「ジェネリックを積極的に出しているはずなのに加算の割合が伸びない」という状況に陥ります。


これは知らないと損する情報です。


加算算定を意識した銘柄選択が今後さらに重要になります。薬価改定ごとに各銘柄の加算区分が変わるため、YJコードと加算区分(後発品調剤体制加算の対象か否か)を定期的に確認するサイクルを現場に組み込むことが有用です。厚生労働省が公開している「薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報」(毎年4月更新)を活用するのが基本の対応です。


電子薬歴や処方支援システムにこの区分情報を反映させておくと、調剤時の銘柄判断がスムーズになります。確認する作業、これだけで大丈夫です。


なお、先発品を「変更不可」と処方した場合は後発品への変更調剤自体ができません。一方で一般名処方の場合は変更可能ですが、一般名処方マスタの記載内容(銘柄や規格)を最新の薬価改定に合わせて随時更新しておく必要があります。ロキソプロフェンナトリウムテープで同様の問題が発生した実例が参考になります。加算対象かどうかは常に最新情報で確認が条件です。


参考:薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(令和7年4月1日適用)
https://www.mhlw.go.jp/topics/2025/04/tp20250401-01.html






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