stk400規格表で見る寸法・化学成分と正しい選定方法

STK400の規格表(JIS G 3444)に基づく外径・肉厚・単位質量、化学成分、機械的性質を徹底解説。STK490との使い分けや2025年のJIS改正ポイントも紹介。現場で本当に使えるSTK400の知識を網羅しています。正しく選定できていますか?

STK400規格表で見る寸法・化学成分と正しい選定方法

STK400の「400」は引張強さではなく、鋼管選定で最初に確認すべき降伏点235N/mm²の方が現場トラブルの9割をぎます。


📋 この記事の3ポイントまとめ
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STK400の規格表の見方

JIS G 3444に基づく外径φ21.7mm〜φ1016.0mm・肉厚・単位質量(kg/m)の読み方と重量計算式を解説します。

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化学成分と機械的性質

炭素量0.25%以下・引張強さ400N/mm²以上・降伏点235N/mm²以上という数値の実務的な意味を解説します。

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2025年JIS改正と発注書の必須記載事項

2025年4月施行の改正により、発注時に「種類の記号・製管方法・寸法」の明記が義務化されました。発注書の書き方を具体例で解説します。


STK400とは何か?規格表の基本構造と読み方


STK400は、JIS G 3444「一般構造用炭素鋼鋼管」に規定された鋼管の一種類です。名称の「STK」はSteel Tube Kouzou(鋼管構造)の略とされており、末尾の「400」は引張強さの下限値が400N/mm²以上であることを示しています。規格表を正しく読むには、この数値が何を意味するかを押さえることが出発点です。


JIS G 3444のSTKシリーズには、STK290・STK400・STK490・STK500・STK540の5種類が規定されています。このうちSTK400は最も流通量が多く、土木・建築の現場で鉄塔、足場、支柱、基礎杭、地滑り抑止杭などに広く採用されています。つまり最も「使いやすい」規格です。


規格表は大きく分けて「化学成分表」「機械的性質表」「寸法・単位質量表」「寸法許容差表」の4つで構成されます。現場で最も参照頻度が高いのは寸法・単位質量表ですが、設計段階で強度確認をするには機械的性質表が必須です。それぞれの表が何を表しているか理解しておけば、調達ミスや強度不足のリスクを大幅に下げられます。


STK400の規格適用範囲は、外径φ21.7mm〜φ1016.0mmと非常に幅広いです。例えばφ21.7mmはおよそ大人の親指と人差し指で作れる程度の太さですが、φ1016.0mmは直径が1m超という大径鋼管にも同じJIS規格が適用されます。これだけの範囲をカバーするため、規格表の寸法・単位質量表の行数は多く、慣れていないと必要なサイズを見落としがちなので注意が必要です。


製管方法を表す記号も規格表の読み方に関わります。継目無し:S、電気抵抗溶接:E、鍛接:B、自動アーク溶接:Aという記号が製品に付加されており、仕上げ方法も熱間仕上げ:H、冷間仕上げ:C、電気抵抗溶接まま:Gのいずれかと組み合わせて表示されます。たとえば「STK400-E-G」は電気抵抗溶接の溶接まま仕上げを意味します。発注書や製品ステンシルの記号が読めると、現場での材料確認が格段にスムーズになります。


STK400の規格表全体像が基本です。



参考リンク(JIS G 3444の規格原文に基づくSTK400・490の機械的性質・寸法・許容差について詳しく記載):

JISG3444:2016 一般構造用炭素鋼鋼管(kikakurui.com)


STK400規格表の化学成分と機械的性質の数値を正確に理解する

STK400の化学成分はシンプルです。規格で定められているのはC(炭素)0.25%以下、P(リン)0.040%以下、S(硫黄)0.040%以下の3項目のみで、SiとMnについては規定がありません。シンプルな成分規定です。


この炭素量0.25%以下という数値には実務上の意味があります。炭素鋼は炭素量が0.25%を超えると「中炭素鋼」に分類され、溶接時に低温割れのリスクが高まります。STK400は炭素量が最大でも0.25%以下に抑えられているため、一般的には特別な予熱管理なしに溶接できる材料です。これが「溶接性に優れる」と評価される理由です。ただし、肉厚が大きい場合や低温環境での溶接時には予熱を検討することが望ましく、炭素量の数値を確認せずに「溶接性に優れるから問題ない」と決め込むのは禁物です。


機械的性質の表では、以下の数値が規定されています。


種類の記号 引張強さ(N/mm²) 降伏点または耐力(N/mm²) 伸び(11号・12号試験片)
STK400 400以上 235以上 23%以上
STK490 490以上 315以上 23%以上


引張強さ400N/mm²は数値として覚えやすいですが、設計強度として実務で使うのは降伏点235N/mm²の方が多いです。建築構造設計での許容応力度計算ではこの降伏点が基準になるため、規格表を確認する際は降伏点の値に目を向けましょう。


へん平性の規定では、STK400は外径Dに対して平板間の距離Hが2/3D以下になるまで割れが生じてはならないとされています。直径100mmの鋼管なら、約67mmまで押しつぶしても割れてはいけないということです。一方でSTK490以上になるとへん平性の基準が7/8Dと厳しくなるため、変形に対する性能が違ってきます。


曲げ性は外径50mm以下の管に対し規定されており、内側半径6Dで90°曲げても割れてはならないとされています。これは加工工程での折り曲げに直接関係する数値です。加工前に規格表で確認しておきましょう。


溶接部引張強さは、自動アーク溶接鋼管のみに適用される規定で、400N/mm²以上の確保が求められています。この点は電気抵抗溶接鋼管では溶接部引張試験の省略が認められることがあります。注文時に用途に応じた製管方法を指定することで、必要な品質を確実に確保できます。



参考リンク(STK400の材質・化学成分・引張強度・降伏点などの規格について詳しく解説):

STK400の材質、成分、重量、寸法、引張強度などの規格(toishi.info)


STK400の規格表から寸法・単位質量を正しく読む方法

STK400の寸法・単位質量表には、外径(mm)・厚さ(mm)・単位質量(kg/m)・断面積(cm²)・断面二次モーメント(cm⁴)・断面係数(cm³)・断面二次半径(cm)が記載されています。


寸法表の主要サイズをまとめると、以下の通りです(代表例の抜粋)。


外径(mm) 厚さ(mm) 単位質量(kg/m)
21.7 2.0 0.972
42.7 2.3 2.29
48.6 2.3 2.63
60.5 3.2 4.52
76.3 3.2 5.77
101.6 4.0 9.63
114.3 4.5 12.2
139.8 6.0 19.8
165.2 6.0 23.6
216.3 7.0 36.1
267.4 8.0 51.2
318.5 9.0 68.7
355.6 9.5 81.1


🔑 **単位質量の計算式**は以下の通りです。規格表にないサイズを計算する際に活用できます。


$$W = 0.02466 \times t \times (D - t)$$


W:単位質量(kg/m)、D:外径(mm)、t:厚さ(mm)です。鋼の密度を7.85 g/cm³として導かれた式です。例えば外径φ60.5mm・厚さ3.2mmの場合、0.02466 × 3.2 × (60.5 − 3.2) = 0.02466 × 3.2 × 57.3 ≒ 4.52 kg/mとなります。


この計算式を知っておくと、規格外サイズを受渡当事者間の協定で採用した場合にも重量を正確に算出できます。これは使えそうです。


標準定尺は5,500mm(5.5m)または6,000mm(6m)で、一般に5.5mが基本の定尺とされています。6mは別途確認が必要なサイズがある場合があり、さらに長尺(最大18m程度)の製造対応はメーカーへの個別確認が必要です。


外径350mmを超える管の外径測定は、外径を直接測る方法ではなく「周長計測」によって行うことが規格で定められています。これは大径管では外径を直尺で測ることが現実的に難しいためです。外径350mm超の材料を取り扱う際は、測定方法が異なる点を把握しておきましょう。



参考リンク(STK400の寸法表と質量計算ツールが掲載されており、現場での計算に便利):

一般構造用炭素鋼鋼管 - STK400の寸法表と質量計算(haikann.blogspot.com)


STK400規格表の寸法許容差と現場で起きやすいミス

規格表に記載された寸法は「基準値」であり、実際の製品には必ず許容差(公差)があります。STK400の寸法許容差を正確に把握しておかないと、嵌合不良・加工ミス・設計との不一致が発生する原因になります。


外径の許容差はJIS G 3444の表7に規定されており、区分1号と2号があります。特に指定がない場合は2号が適用されますが、熱間仕上継目無鋼管は1号が適用されます。一般的に、外径50mm未満では±0.25mm以内、それ以上のサイズでは±0.5%(または±0.5mm)のいずれか大きい方を許容範囲とするなど、サイズによって基準が異なります。


肉厚の許容差は表8に規定されており、厚さ6mm未満の場合は±0.5mm(ただし下限側で最小値が別途規定される場合あり)、6mm以上では割合で規定されています。外径区分と製管方法の組み合わせによって適用するテーブルが変わるため、カタログの許容差表を確認することが原則です。


現場でよく起きるミスの一つが「規格外サイズの認識不足」です。STK400の規格表に掲載されていない外径×厚さの組み合わせでも、製造自体は受渡当事者間の協定で可能ですが、寸法許容差の適用については別途取り決めが必要です。これが見落とされると、受け取り検査で寸法不一致が発覚するケースが生まれます。


もう一つ注意が必要なのが、外径1016.0mmを超える鋼管の厚さ許容差です。この規模になると厚さ許容差は「受渡当事者間の協定によることができる」と規格に記されています。協定内容を文書化しておかないと後のトラブルにつながりかねません。


また、外径350mmを超える電気抵抗溶接鋼管とアーク溶接鋼管は、外径許容差が1号が適用され、管端部の外径許容差は±0.5%となる点も見落としやすいです。特に管端部は接合に直結するため、許容差の確認が重要です。


外径350mm超は別ルールが条件です。



参考リンク(寸法許容差・化学成分・機械的性質をまとめたSTK規格のPDF):

一般構造用炭素鋼管 JIS G 3444 STKの規格(km-sangyou.co.jp)


STK400とSTK490の規格表比較・正しい選定の考え方

STK400とSTK490は同じJIS G 3444の規格内にあり、外見上の違いは小さいですが、規格表の数値には無視できない差があります。選定を誤ると構造物の強度不足や不要なコスト増につながるため、どちらを選ぶかの判断基準を押さえることが重要です。


比較項目 STK400 STK490
引張強さ 400N/mm²以上 490N/mm²以上
降伏点または耐力 235N/mm²以上 315N/mm²以上
炭素量(C) 0.25%以下 0.18%以下
Si規定 なし 0.55%以下
Mn規定 なし 1.65%以下
へん平性(平板間距離H) 2/3D 7/8D
価格感 標準 STK400より高価


注目すべき点が一つあります。STK490はSTK400よりも炭素量(C)が0.25%以下から0.18%以下へと「少なく」規定されています。引張強さが高いにもかかわらず炭素量が少ない理由は、強度をSiやMnなどの合金元素で確保しているためです。意外ですね。これはSTK490の方がSTK400よりも溶接性の面では有利という結果にもつながります。


現場での選定基準としては、一般的な構造用途(支柱・足場・低層建築物の柱など)ではSTK400で十分なケースが多いです。一方で基礎杭(特に支持層が深い場合)や高強度が要求される構造部材、または座屈荷重を考慮した設計をする場合にはSTK490が採用されます。建築基準法に基づく許容応力度設計では、STK400の長期許容曲げ応力度はSTK490に比べて約25%低いため、部材断面の大型化で対応するか材料グレードを上げるかを経済的に比較することが実務では求められます。


ただし、STK400とSTK490は在庫状況が大きく異なる場合があります。STK400は多くの鋼材商社や加工業者が豊富な在庫を持っていますが、STK490はサイズによって調達リードタイムが伸びることがあります。急ぎの現場では在庫確認が先決です。


なお、STK490の在庫品にはSTKN490Bとのダブルステンシル表示(2種類の規格に適合することを示すマーキング)が施されている製品があります。これはSTK490の規格に加えて、建築構造用炭素鋼鋼管(STKN)の規格にも適合していることを示します。詳細な仕様確認は発注前にミルシートで確認するのがベストプラクティスです。



参考リンク(STK400/490の機械的性質・用途・製造可能範囲についてJFEスチールの情報が掲載):

一般構造用炭素鋼鋼管 STK400/490(JFEスチール)


2025年JIS G 3444改正後の規格表と発注書への正しい記載方法

2025年4月21日、JIS G 3444(一般構造用炭素鋼鋼管)の規格が改正されました。今回の改正で最も実務に影響を与えるのが、新設された「注文者によって提示される情報」の箇条です。


この改正により、注文者(発注者)は鋼管を発注する際に以下の3項目を発注書に明記することが義務付けられました。


  • **a) 種類の記号**:例「STK400」
  • **b) 製管方法及び仕上げ方法**:例「E-G(電気抵抗溶接・溶接まま)」
  • **c) 寸法**:外径・厚さ(肉厚)・長さ


具体的な発注書の記入例は以下の通りです。


> **STK400-E-G 48.6 × 2.3 × 6,000mm**


この形式で記入することで、製管方法・仕上げ方法・サイズが一目で分かる表記になります。以前は種類の記号と寸法だけの記載で発注していたケースも多く、製管方法の指定が曖昧なまま納品されてトラブルになる事例があったと考えられます。


なお、製管方法を表す記号の組み合わせは以下の通りです。


製管方法 記号 仕上げ方法 記号
継目無し S 熱間仕上げ H
電気抵抗溶接 E 冷間仕上げ C
鍛接 B 電気抵抗溶接まま G
自動アーク溶接 A


今回の改正は単なる書類上の変更ではありません。製管方法の違いは強度特性・溶接部性能・表面品質に直結するため、用途に合った製管方法を選ぶことが構造物の信頼性を左右します。


改正への対応が完了していない企業では、旧来の発注形式(種類の記号と寸法のみ)で注文しているケースもあります。納品後に「思っていた製管方法と違った」というトラブルを防ぐためにも、今すぐ社内の発注フォームの見直しが必要です。これは緊急対応が必要な項目です。


同時に、JIS G 3445(機械構造用炭素鋼鋼管)とJIS G 3466(一般構造用角形鋼管)も同日改正されており、同様の「注文者によって提示される情報」の義務化が進んでいます。複数規格の鋼管を調達している場合は、それぞれに対応した発注フォームの整備が求められます。



参考リンク(2025年4月施行のJIS規格改正内容と発注書記入例について、大和鋼管工業が詳しく解説):

鋼管のJIS規格改正で何が変わる?注文者によって提示される情報(大和鋼管工業)


Please continue.


十分な情報が収集できました。記事を作成します。




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