第一種の登録があっても、ファンド販売で無登録営業になり罰金500万円を受けるケースがあります。
第一種金融商品取引業は、金融商品取引法(金商法)第28条第1項に定義された業務区分です。 主に「流動性の高い有価証券」、つまり市場で売買しやすい金融商品を取り扱う業務が対象となります。
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具体的には、以下のような業務が含まれます。
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証券会社やFX業者がその代表例です。 つまり「投資家が市場で日常的に売買するような金融商品」を扱う業者が登録を要するイメージです。
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業務範囲が広い分、規制も厳格です。自己資本規制比率120%以上の維持義務があり、主要株主に欠格者がいないかどうかも審査されます。 また、元引受業務(主幹事)を行う場合は、最低資本金が通常の5,000万円ではなく、30億円まで跳ね上がります。 これは金融市場への影響力が極めて大きい業務のためです。
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第二種金融商品取引業は、金商法第28条第2項に定義された業務区分です。 対象となるのは「流動性の低い有価証券」、具体的には金商法第2条第2項で規定される「みなし有価証券(二項有価証券)」です。
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みなし有価証券とは、証券取引所で自由に売買できないものの、投資性があるとして法律上「有価証券」とみなされる商品です。 代表的なものは以下のとおりです。
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これらは使えそうです。不動産業者がREIT関連商品を販売したり、クラウドファンディング事業者が投資型ファンドの募集を行う場合などに、第二種金融商品取引業の登録が必要になります。
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両者の登録要件は大きく異なります。一覧で整理すると、違いが明確です。
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| 項目 | 第一種金融商品取引業 | 第二種金融商品取引業 |
|---|---|---|
| 最低資本金 | 5,000万円 | 1,000万円(法人) |
| 株式会社要件 | 必須 | 不要 |
| 取締役会設置 | 必要 | 要件なし |
| 自己資本比率規制 | 120%以上 | なし |
| 主要株主規制 | あり | なし |
| 営業保証金(個人) | なし | 1,000万円 |
資本金だけ見ると「第二種の方が楽」という印象があります。しかし、第一種の登録にかかる総コストは、登録開始から開業までの人件費込みで5,000万円以上が必要という試算もあります。 登録手続きの専門家費用だけでも490万円以上かかるケースがあり、資本金5,000万円だけでは到底足りない点は要注意です。
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第二種も楽ではありません。第二種の場合でも登録完了まで最低6か月はかかり、事前相談だけで4か月を要することもあります。 「標準処理期間は2か月」という金融庁の記載を鵜呑みにして「2か月で登録できる」と思い込むと、事業計画が大幅にずれます。厳しいところですね。
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多くの人が「第一種の方が上位資格で、第一種を取れば第二種の業務も当然できる」と思い込んでいます。これは間違いです。
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第一種と第二種は、上下関係ではなく対象商品の違いによる「横並びの区分」です。 第一種金融商品取引業の登録を受けても、第二種が扱う「みなし有価証券」の販売・勧誘は行えません。つまり〇〇ということですね、という話ではなく、完全に別の登録が必要になるのです。
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具体的なリスクを挙げます。証券会社(第一種業者)が顧客向けに不動産ファンドの持分を販売しようとする場合、別途第二種金融商品取引業の登録がなければ無登録営業になります。 無登録営業の罰則は、5年以下の懲役または500万円以下の罰金、さらに法人には5億円以下の罰金が科されます。
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ただし例外があります。第二種金融商品取引業者であっても、一定の条件下では本来第一種業に該当する「特定有価証券等管理行為」「特定引受行為」を行うことが認められています。 この例外規定を活用できるかどうかは、業務の詳細によって変わるため、専門家への事前確認が原則です。
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参考:金融庁が公開している登録手続ガイドブックでは、業務区分ごとの要件が整理されています。
金融庁|投資運用業等 登録手続ガイドブック(第二種・投資助言)
近年、第二種金融商品取引業の登録業者数が増加傾向にある理由があります。これは意外な角度から理解できます。
不動産特定共同事業法(不特法)の規制対象にならない小規模ファンドや、投資型クラウドファンディング(株式・ファンド型)は、多くの場合、第二種金融商品取引業の登録が必要になります。 インターネットを通じたファンド募集がビジネスとして成立するようになったため、IT企業や不動産会社が新規参入するケースが増えています。
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取り扱える商品の幅が広がっていることも理由です。2024年度の金商法改正により、セキュリティトークン(ブロックチェーン上で権利表示されたデジタル有価証券)も第二種が扱う二項有価証券に含まれる整理が進んでいます。 Web3・NFT関連ビジネスが金商法の規制対象に収まることで、登録業者数は今後さらに増える見通しです。
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参考:2024年の金商法改正の内容と第二種金融商品取引業への影響については、以下の行政書士法人の解説記事が詳しいです。
金融商品取引法改正の第二種金融商品取引業とは?(SmartWork)
また、第二種業者の登録状況や協会規則については、業界団体の公式ページが信頼性の高い情報源です。
一般社団法人 第二種金融商品取引業協会|第二種金融商品取引業者等
クラウドファンディング事業を考えている場合、まず自社の扱う商品が「一項有価証券」「二項有価証券」のどちらに該当するかを確認することが最初の一歩です。金融庁や管轄の財務局への事前相談は無料で受けられるため、動き出す前に活用することをお勧めします。
参考:関東財務局の登録に係るQ&Aは、実務的な疑問に端的に答えてくれる一次資料です。